チャットボットとは、顧客からの問い合わせに対してロボットが自動的にコミュニケーションをするツールです。会話ルールをロボットにプログラミングすることにより、それぞれの企業にあわせた受け答えを設定します。
チャットボットは問い合わせ業務の効率化を図ることや、問い合わせに対する人件費を削減することができます。さらにチャットサービスによっては、24時間365日対応することにより、顧客の満足度向上にもつながります。
チャットボットには、決められたルール内で返答ができるオペレーター型と、ユーザーが自由に質問を入力できる自由入力型があります。
チャットボットとは
チャットボットとは、チャットとロボットとをつなげた造語で、自動で人の代わりに問い合わせ対応をするシステムのことです。問い合わせ対応の効率化の他、顧客満足度を上げることにもつながります。
名前の由来
チャットボットとはチャットとロボットを重ねた言葉であり、自動的にコミュニケーションをテキストや音声を使って進めるシステムのことをいいます。世界では1960年に開発されたイライザが初期チャットボットといわれており、50年以上の歴史があります。
問い合わせ対応の効率化
これまでオペレーターが対応していた問い合わせ対応を、チャットボットが代行することにより問い合わせ業務の効率化を図ることができます。例えば、よくある質問に対してチャットボットが応えるだけでも、オペレーターが対応するべき問い合わせの件数を減らすことができます。
よくある質問だけをチャットボットに任せて、そのほかの複雑な質問は人間が担当するなど、チャットボットにはさまざまな活用方法があります。
顧客満足度が上がる
これまで問い合わせ対応がオペレーター対応しかなく、なかなか電話がつながらない、営業時間は仕事が忙しくなかなか電話ができないといった理由で、顧客満足度が上がらず悩んでいる企業も少なくありません。
しかしチャットボット対応であれば、24時間365日問い合わせ可能であり、ある程度の内容であればオペレーターを通さずとも問題が解決することもあります。
さらにチャットボットは、担当者によって対応が変わることもありません。問い合わせに対して、常に一定の対応品質を提供することができます。
コスト削減
チャットボットを導入することによりオペレーターの負担を減らすことができるため、人件費のコスト削減になります。また、チャットボットは安定したサービスが可能であることから、オペレーターに対しての教育コストや時間を削減することもできます。
繁忙期であってもスタッフを増員する必要もありません。短期間であってもスタッフを増員するためには人件費の他に広告費、採用コストなどがかかりますが、チャットボット導入によりこれらのコスト削減も可能です。
チャットボットの需要が高まった背景
急激に広まったチャットボットですが、きっかけはAIの発展やユーザーとのコミュニケーションを大切にしている企業が増えたことが挙げられます。
AIの発展
AIは年々発展を続け、人間が入力した言葉を具体的に解釈して、さらに返事ができるようになりました。この技術を使うことによりチャットボットの需要が高まりました。
ユーザーとのコミュニケーションツール
チャットボットを使ったアプリにクーポンや割引券などを配布するなど、チャットボットをコミュニケーションツールとして使う企業が増えています。ユーザーの生の声をデータとして集めることにより、よりよいサービスの提供と商品開発を進めることがビジネスの主流となっています。
チャットボットの種類
チャットボットには大きく分けて、オペレーター型と自由入力型の2種類があります。オペレーター型は、あらかじめ選択肢を用意しておき、ユーザーが選んだ内容に対して受け答えをします。
自由入力型は、ユーザーが自由に問い合わせ内容を入力することができ、AIによって受け答えが可能になります。
オペレーター型
事前にシナリオを作っておいて、そのシナリオをもとに自動で回答していくタイプです。支払い方法の確認や購入時の決まりごとなど定型的な質問に向いています。
シナリオの作成はこれまでに多かった質問を集めて、あらかじめ準備しておく必要があります。
自由入力型
自由入力型とはAI機能を使い、統計的に正しい可能性が高い回答を自動返答することができるチャットボットです。ユーザーは自由に問い合わせをすることができるため広範囲に対応可能です。
オペレーター型
オペレーター型は決まったルールでチャットボットが回答をするタイプです。すでに多くの問い合わせがある内容を把握している場合は導入まで手間がかからず、コストを抑えられるメリットがあります。
メリット
オペレーター型のメリットとして、すでに同じ内容の問い合わせが多い場合、構築をしやすい点があげられます。同じような問い合わせに対してはチャットボットが対応し、そのほかはオペレーターが対応することで、オペレーターの負担を減らすことができます。
自由入力型と違って、コストを抑えられるのもオペレーター型の大きなメリットです。初期設定も質問の設定以外はシンプルであるため導入しやすい特徴があります。
デメリット
オペレーター型のチャットボットは、ルール通りの回答以外はすることができません。対応できる質問が多ければ多いほど、ルールの設定が大変になっていきます。
決まったルールから少しでもずれると、応えることができないためオペレーター型のチャットボットが対応できない場合は、人間が対応する必要があります。
自由入力型
前もって質問と答えを設定するのではなく、AIによって会話のログを学習することにより、ユーザーの入力した内容に対して、回答をすることができるチャットボットです。
メリット
オペレーター型のようにルールが決まっているわけではないので、幅広く問い合わせに対応することができます。前もってAIが必要なデータを学習して解析することにより、最も適切な回答を統計的に自動的に選んでいきます。
そのため適切な学習データを蓄積することにより、回答の精度をあげることができます。オペレーター型のように、質問の手法(言葉遣い)が変わっても、適切に対応できる可能性が高いのも大きなメリットです。
デメリット
自由入力型のデメリットは導入開始前に膨大な量のデータをインプットすることが必要なことです。学習量が足りなかったり、データが間違っていたりすると正しく回答できません。オペレーター型と比較して、一般的に初期費用が高くなるほか、導入前に時間がかかることが多くなります。
またいくらAIといっても、初期段階においては人間が正しい回答をしているかどうかを確認する必要があります。
まとめ
チャットボットは人間の代わりにロボットが問い合わせ対応を代行してくれるシステムです。ロボットが代行することにより、問い合わせ担当者の負担を減らすことができ、人件費や採用コスト、教育費用の削減も可能です。
さらに安定した問い合わせ対応を24時間365日できることから、顧客満足度をあげるきっかけにもなります。
チャットボットには決まったルールだけを答えるオペレーター型と、ユーザーが自由に入力できる自由入力型があります。いずれも精度が上がっており、的確に運用することで業務効率化や顧客満足度の向上ができることから売り上げ向上につながります。
(参考記事)
http://www.ai-messenger.jp/column/598/