チャットボットは2011年にSIRIで話題になりだしたのですが、2022年現在世界の市場規模は急激に拡大をしています。ビジネスにおいては問い合わせ対応で使われることが多く、従業員の負担を減らすだけでなく、24時間365日対応可能であるため顧客満足度を上げる要因となっています。

さらに一般の生活でも、Apple製品搭載のSiriやGoogleアシスタントなど、チャットボットが導入されるケースが増えています。

AIの精度が高まっていることから、今後もチャットボットの市場規模は拡大していくと予想されます。

チャットボットの種類とは

チャットボットには、シナリオ型とAI型の大きくわけて2種類があります。そのうち市場規模が拡大するといわれているのは、AI型のチャットボットです。チャットボットの精度が上がっていることからユーザーが自由に質問をできるようになっています。

またチャットボットとユーザーのやり取りをデータ化することにより、マーケティングや商品開発に活かすことができ、データ資産にもなります。

シナリオ型

シナリオ型は事前に設定したシナリオに沿った質疑応答であるため、WEBサイトの問い合わせページによく設置されています。ユーザーが表示された選択肢から質問の内容を選び、その内容に合わせてさらに選択肢が増える、またはリンクに飛ぶことができます。

例えば、「部屋に新しいソファを買いたいのですが」という問い合わせに対し、ボットは「ソファ・家具」へのリンクを表示するといった具合です。

支払い方法や必要書類など、決まった回答のある質問に対してはシナリオ型が効果的です。シナリオ型は決まった回答しかしないので、間違った案内をすることはありません。

AI型

これまでのユーザーとのやり取りを登録しておいて、チャットボットが入力した言葉に返信をするタイプです。十分なデータを登録していれば、ユーザーと対話をしているようなやりとりをすることができます。

また24時間365日対応できることから、顧客満足度が上がり、さらにユーザーのニーズを聞き出すこともできます。

チャットボットの特徴とは

チャットボットはロボット対応であるため、24時間365日常に稼働できるため、ユーザーはいつでも困ったときに簡単に問い合わせをすることができます。またユーザーごとの対応をすることで、顧客満足度を上げるほか、データ活用をすることもできます。

24時間365日対応

チャットボットはロボットが対応するため、24時間365日対応が可能です。そのためユーザーにしてみたら、営業時間まで待たないで問題を解決することができます。営業時間まで待っている間に、他社の商品を購入したり購入自体をやめることもあります。

つまりチャットボットを導入することによって、購入率を上げることにつながります。

ユーザーごとへの対応

チャットボットはこれまでのユーザーの購入履歴、問い合わせ内容、閲覧ページなどのデータをもとにユーザーごとに的確な対応をすることができます。またユーザーの動きを確認することができ、「お困りごとはありますか」のようにユーザーとの接点ができ、ビジネスチャンスがこれまで以上に生まれます。

データ活用ができる

ユーザーとやり取りをしたデータは、すべて保存され蓄積されていきます。つまり蓄積されたデータの分析を行えば、以下のようなことがわかります。

  • ユーザーがどんなことで問い合わせをしているのか
  • ユーザーが商品やサービスに求めていること
  • 現在のトレンド
  • ユーザーが商品を購入した理由
  • ユーザーが商品を購入しなかった理由

現在ではWEBサイトやSNSを使って、商品やサービスの情報を簡単に取り入れることができます。そのため商品やサービスに詳しいユーザーが増えており、ユーザーのニーズが満たされないと購入につなげるのがむずかしい状況です。

このような理由によりユーザーの生の声を聞くことができ、データ化できるチャットボットの需要が高まっています。

チャットボットの市場規模

チャットボットは世界中で市場規模が拡大しています。

世界のチャットボットの市場規模

世界のチャットボットの市場規模は、2020年から2027年において22.5%のCAGR(年平均成長率)が見込まれています。さらに2019年の市場規模は3億9620万米ドルですが、2027年には19億5330万米ドルまで拡大するといわれています。(参考記事:GlobeNewswire「Global Chatbot Market」

この驚異的なチャットボット市場の拡大の要因として、中小企業におけるAIシステムの導入や革新的な商品開発が挙げられています。

チャットボットが導入されたきっかけ

最初にチャットボットが導入されたのは1966年です。しかし世界的に有名になったのは、Microsoft Office97に搭載されているOfficeアシスタントがきっかけです。イルカが画面に登場して、ユーザーのサポートをしていました。

また、2011年にiPhoneに組み込まれたSiriは、会話ができるチャットボットとして日本でも認知度が高くなったきっかけです。

日本のチャットボット市場規模とは

2017年の時の予想ですが、チャットボットの市場規模は年々急激に拡大していくと予想され注目されていました。2017年の市場は11億円だったのですが、2022年には132億円まで成長すると予想されていました。今後さらにチャットボットが発展していくと予想されています。

出典:Yano Research Institute Ltd.「Conversational AI Platform Market in Japan: Key Research Findings 2018」

チャットボットの需要が増えていく理由

日本でもチャットボット市場が拡大しているのですが、それには以下のような理由があります。AIの精度が高まっており、今後も需要が増えていくことが予想されます。

  • 人材不足対策
  • 働き改革推進に活用
  • 業務効率化

人材不足対策

日本の2016年の出生数は977,242人となり、100万人を下回りその後も年々出生数は減っています。このため生産人口は年々減っていくことが見込まれる状況となっています。そこで労働人口不足対策として、チャットボットを導入する企業が増えています。

例えば、問い合わせ対応にチャットボットを導入することにより、オペレーターの人員を 減らすことで労働人口対策をすることができます。

人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生

出生数総数
2019年865,239人
2018年918,400人
2017年946,146人
2016年977,242人
2015年1,005,721人

参考資料:政府統計の総合窓口「人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生」

働き改革推進に活用

働き方改革が進められ、長時間労働に対しての処置が厳しくなっています。そのため労働人口が減り、限られた労働時間のなかで業務を進める必要があります。そこでチャットボットが24時間365日対応することにより、従業員の負担を減らすことができます。

業務効率化

チャットボットは24時間365日対応できるだけでなく、ユーザーとコミュニケーションをとることでユーザーのニーズを聞き出すツールとなります。ユーザーからの問い合わせデータを蓄積し、分析することにより今後のマーケティングや商品開発に活かすことができます。

また、問い合わせ対応をチャットボットに任せることにより、コアな業務に集中できることもあります。このためチャットボットを使うことで、さまざまな面で業務効率化を進めることが可能です。

まとめ

チャットボットは、24時間365日対応できることで従業員の負担を減らすことができます。また顧客にとってみても、即座に質問をしやすいことから顧客満足度が上がり売り上げにつなげる可能性があります。

このためチャットボットの市場規模は、2016年にFacebookやSlackなどのプラットフォームにてチャットボットが導入されて以降大幅に増えているのですが、今後もさらに拡大することが見込まれています。

(参考記事)

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