プッシュ通知をスマートフォンやWEBページなどに実装すると、 セールなどのユーザーにとって有益な情報をリアルタイムでお知らせできます。これまではDMやちらし、メルマガで情報提供することが多かったのですが、プッシュ通知を使ってよりリアルタイムに情報を送れるようになりました。

プッシュ通知はリアルタイムに送れるほか、ユーザーがすぐにチェックできる半面、通知自体を嫌がるユーザーもいます。

プッシュ通知とは

プッシュ通知とはスマートフォンやアプリを操作しない状態で、さまざまなサービスが提供している新着情報を画面上で知らせてくれる機能のことです。通知をタップすることで新着情報を記載しているページやアプリに飛べることがほとんどです。

多くの人がスマートフォンを使っており、スマートフォンを長時間にわたり見ているユーザーが多いことから、リアルタイムでニーズのある情報を提供すると効果的です。またDMやメルマガと違って開封しやすいのも大きな特徴です。

プッシュ通知を導入するメリット

プッシュ通知は開封率、クリック率が高く、多くのユーザーが情報を確認する可能性があります。メールマガジンの開封率が10%程度であるのに対し、プッシュ通知の開封率は30〜40%程度が一般的な見解です。

定期的にプッシュ通知を送ることで、ユーザーにアプリをダウンロードしたことを再認識してもらうことができます。そのため、ユーザーにアプリの利用を促し、継続的に利用してもらうのに効果的です。プッシュ通知を通じてユーザーとの接点を増やすことは、顧客ロイヤリティーの向上にもつながります。

モバイル端末保有率

2010年には約10%だったモバイル端末保有率が2019年には83.4%と急増しています。そのため商品やサービスを検索するときにも、モバイルを使う機会が多くなっています。そのためスマートフォンに効果的なプッシュ通知を送ることで、商品やサービスの商品紹介ページに誘導することができ、購買意欲が高まります。

参照:総務省「情報通信機器の世帯保有率の推移」

対応デバイス、対応OS、対応ブラウザ

プッシュ通知はスマートフォンであることがメインで、iOSやAndroidに対応しています。アプリで通知することが一般的だったのですが、Webプッシュ通知を利用することで、Webサイトからユーザーに直接通知できるようになりました。

Google Chrome、Firefox、safariに対応していますが、Internet Explorerはブラウザに通知機能を搭載していないことから使うことができません。

プッシュ通知の仕組み・機能

iOSやAndroidにはそれぞれ独自の通知配信サービスがありますが、基本的な仕組みに関しては同じです。プッシュ通知にはさまざまなサービスの新着情報があることを通知してくれる機能があります。

プッシュ通知の仕組み

プッシュ通知の仕組みはAndroidとiOSによって異なります。それぞれ利用しているシステムが違うのですが、基本的なプッシュ通知の仕組みは同じです。

Android

2019年まではGoogleのPush通知機能であるGoogleクラウドメッセージングを利用していたのですが、2019年4月11日以降は新バージョンであるFirebase Cloud Messagingを導入しています。Firebase Cloud Messagingはセキュリティが高く、Androidの他にiOS、またWebページにもメッセージを安全に送信できます。

Androidのプッシュ通知はデフォルトでは通知を許可する設定になっており、設定をしていないユーザーは画面上にプッシュ通知が表示されます。またプッシュ通知の履歴が画面上に表示されるデフォルトになっています。

iOS

プッシュ通知にAPNs(Apple Push Notification)が使われています。iOSの他に、tvOS(旧Apple TV Software)やmacOSなどのデバイスに情報を効率的に配信するサービスです。APNsを利用することによりメッセージの表示や音の再生、また画像や動画の表示ができます。

Androidと違いiOSのプッシュ通知は、通知を受け取るもしくは受け取らないを選択することができる他、画面をスワイプしてはじめて通知の履歴を見ることができます。

プッシュ通知の機能

プッシュ通知は新しい情報を通知することにより、一度Webサイトもしくはアプリを利用したユーザーにもう一度利用してもらうことがメインの目的となります。プッシュ通知をすることで、ユーザーに以前使っていたサービスを思い出してもらうのです。

またお得な情報を定期的に知らせることにより、以前使っていたアプリを使いたくなるユーザーが実際に多い傾向にあります。

プッシュ通知の種類

プッシュ通知には大きく分けてリモートプッシュ通知とローカルプッシュ通知があります。

リモートプッシュ通知

リモートプッシュ通知はインターネット環境にある場合のみ、アプリを経由することによりお知らせを配信できます。スマートフォンの利用時間は非常に長く、リアルタイムで通知することにより情報を届けることができます。

セール情報や期間限定サービスなどのリアルタイムで通知する必要がある状況でよく利用されます。スマートフォンがネット環境にない場合は通知されないデメリットがあります。

ローカルプッシュ通知

ローカルプッシュ通知は利用者がある一定の操作をした場合など、条件を満たした場合のみお知らせを配信できます。条件さえ満たしていればインターネット環境がなくてもお知らせを送ることができます。

プッシュ通知を実装するメリット

プッシュ通知を実装すると、ターゲットユーザーの開封率が上がり、顧客ロイヤリティーを向上できます。

開封率が高い

スマートフォンを見ていてプッシュ通知が来ると思わず開いてしまう人が多く、一般的にメールマガジンよりも開封率が高くなります。

またプッシュ通知を送ることによりアプリの利用を促すことができます。そのため継続的にアプリを使ってもらうことにつながります。

顧客ロイヤリティの向上

DMやチラシは、迅速、簡単かつ費用対効果が高いため、顧客ロイヤリティーを高めるための一般的な方法です。またメールマガジンはさまざまな形態で提供されており、顧客への情報配信にも使われています。

しかしDMやチラシだと受け手に届くまで数日かかることが多く、メルマガは開封率が低いデメリットがあります。そこでプッシュ通知を顧客ロイヤリティを高めるツールとして需要が高まっています。

プッシュ通知のデメリット

スマートフォンの画面上に案内通知が来ることを嫌がるユーザーもいます。アプリ通知を嫌がるユーザーにとっては迷惑なものです。スマートフォンの設定でプッシュ通知が来なくなるよう設定できますが、アプリからユーザーが離れていってしまう可能性があります。

対策法としては、ユーザーにとって有益な情報を提供することが重要です。いくらプッシュ通知が苦手なユーザーでも、有益な情報であれば不満につながりにくくなります。

プッシュ通知の実装方法

プッシュ通知にはライブラリ、ASP、mBaaSを使った実装方法がありそれぞれに特徴や実装方法が異なります。

ライブラリを使ったプッシュ通知実装

プッシュ通知用のライブラリを使って実装する場合は、自社のデータベースにおいてデバイスからのトークン(プッシュ通知通知を送ったユーザーのデバイスとアプリに紐づいたID)を管理できます。またプッシュ通知をサーバー上でスマートフォンなどに送信していくことになるので、柔軟にプッシュ通知できます。しかし開封通知などのシステムは自作する必要があり、スキルが求められます。

ASPを使ったプッシュ通知実装

ASP(Application Service Provider)はWeb経由でソフトウエアやソフトウエアの周辺のシステムなどを提供することをいいます。

ASPの属性によって配信対象端末を絞り込むことが可能です。ソフトウェア開発キットが提供されているため、ASPを使ってプッシュ通知部分の実装を行うケースはほとんどありません。プッシュ通知の実装は非常に簡単です。

APIを提供する場合は、システムのユーザーIDをトークンと関連付けて保存しておけば、より詳細なターゲットでプッシュ通知を配信できます。ただし、ほぼ個別配信になるため、対象が多い場合は配信設定に時間がかかります。

また、一般的にデバイスからプッシュ通知を作成できません。主にアプリ開発者による配信に利用されます。

mBaaSを使を使ったプッシュ通知実装

mBaaSはmobile Backend as a serviceの略であり、開発からリリースまで簡潔にできるという特徴があります。

mBaaSを利用する場合、ASPと基本的なシステムは同じです。提供されているキットを埋め込むだけでmBaaS上にトークンを保存できます。特に実装することはないはずです。同じシステム上にデータがあるため、外部システムと連携するよりも簡単です。

mBaaSでは、デバイスからプッシュ通知を作成することも可能です。また、友人へのプッシュ通知や管理アプリから他の端末へのプッシュ通知にも利用できます。アプリのリアルタイム性を高めるためにも利用可能です。

それぞれの配信をしたときの開封率を見て、配信内容や時間を変更するなどのマーケティング施策ができます。

プッシュ通知の目的

プッシュ通知は、受信者が最も興味を持ちそうなタイミングで、情報を配信できるため効果的です。ユーザーがウェブサイトを離れようとしているときや、過去に訪れたことのあるサイトであれば、プッシュ通知を利用してサイトに留まり新機能をチェックするよう促すことができます。

ある商品に興味を持っているユーザーには、その商品の購入を促すためにプッシュ通知が効果的であり、ユーザーが見逃している情報をプッシュ通知で知らせることもできます。

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