サイテーションとはインターネット上で企業名、サービス名、サイト名などが言及されることを意味します。外部リンク(被リンク)とは異なり、サイトやLPへの誘導がなくてもSEO効果やMEO効果が見込めるため、新しいWEB集客手法として注目されています。

サイテーションを獲得するにはSNSの活用が効果的であり、普段の努力が求められるため、SNS担当者やSNS代行などに依頼して継続的に情報発信をしていくことがWEB集客を成功させるコツです。

サイテーションとは

サイテーションとは引用や言及という意味を持ち、インターネット上で企業名やサービス名、サイト名などが掲載されることを意味します。

例えば、ヤフー株式会社、Yahoo!JAPAN、ヤフオクなどはそれぞれ会社名、サイト名、サービス名の言及(サイテーション)といえます。

被リンク(外部リンク)とは異なり、サイトのURLやクリックによる動作は必要なく、単に企業名やサービス名、サイト名などが載るだけでサイテーションと呼び、SEOやMEOに効果があるとされています。

サイテーションの重要性

2017年にGoogleによりおこなわれたコアアルゴリズムアップデート(通称、健康アップデート)以前はSEO対策には外部リンクの力が極めて重要であり、外部リンクの有無(量、質)がサイトの検索順位を大きく左右していました。

しかし、2017年のアップデート以降はコンテンツの質はもちろん、サイトの信頼性権威性が非常に大きな意味を持つようになり、被リンクはもちろん、サイテーションの重要度も大きく向上したといわれています。

※厳密には2017年よりもずっと以前から外部リンクだけによるSEO対策はブラックハットSEOと呼ばれ推奨されていませんでした。

SEOやMEOでは信頼性、専門性、権威性などの指標のほか、どれだけ言及されているか、つまり、どれだけの人が知っているかということも検索順位に影響を及ぼすようになり、サイテーションの多さや質を増やすことが重要視されています。

特に近年ではTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSの普及により、ユーザーのダイレクトな声がサイテーションつきで発信されるようになり、Googleでも無視できなくなっています。

ポジティブなサイテーションとネガティブなサイテーション

サイテーションにはポジティブな内容とネガティブな内容があります。以前はただサイテーションがあるかどうかだけがSEO的にもMEO的にも評価ポイントでしたが、現在では前後の文章や文脈を理解してプラス評価なのか、マイナス評価なのかを判断しているといわれています。

つまり、良い評判が多ければ検索順位が上がり、悪い評判が多ければ検索順位が下がる可能性があるということです。

しかし、一度世に出た評価を変えることはむずかしく、評判系のサイトであれば商品やサービスの向上とともにリライトされる可能性はありますが、SNSでは一度出た情報が削除されることはまずありえません。

そのため、サービスや商品の質を高め、ポジティブなサイテーションを増やすとともに、自ら良質なサービス、商品、コンテンツがあることをSNSで発信することが重要なサイテーション対策となります。

サイテーションのSEO効果

サイテーションのSEO効果について、Googleは明確には公表していません。しかし、検索エンジンが被リンクに加え、サイテーションの質も評価判断の1つにしていることは業界の有志により、ほぼ確実視されています。

現在は被リンクよりも効果は薄いと評価されていますが、それでも1件の被リンクを獲得するよりも1件のサイテーションを獲得するほうが容易であり、積み重ねることでユーザーへの認知が進み、SEO効果を発揮するものとみられています。

サイテーションのMEO効果

サイテーションはMEO(ローカルSEO)の表示順位に影響しているといわれています。SEO同様、Googleから公式に発表があるわけではありませんが、Googleビジネスプロフィールヘルプにあるようにローカル検索の結果に影響するのはほぼ間違いありません。

視認性の高さ

視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。

ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。

引用:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法(Googleビジネスプロフィールヘルプ)

サイテーションの獲得方法

サイテーションの獲得方法は外部リンクの獲得とも近しいものがありますが、SNSやGoogleビジネスプロフィールなどを活用することで、より効率的に獲得可能です。

サイテーションを増やす方法としては、次のようなものがあります。

  1. SNSの活用
  2. キャッチーな命名
  3. 広告や引用の利用
  4. 構造化データの利用
  5. Googleビジネスプロフィールへの登録

SNSの活用

サイテーションを獲得する手法としてもっとも効率的で有効な手法はTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどのSNSを使い、自ら情報を発信し、認知を拡大する方法です。

一部の例外はありますが、SNS上でサイテーションを確保するためには、SNSユーザーに認知され、自ら認知拡大に動かなければ効果はほとんど出ません。そのため、情報を発信する場合には会社名、サイト名、サービス名、商品名などを積極的に書きこむ必要があります。

インフルエンサーを起用することでさらに認知を拡大することが可能になりますので、ブランド力向上も含め、短期戦略であっても長期戦略であってもSNSの活用が有効です。

キャッチーな命名

サイテーションを獲得することを考えると、サイト名、ブランド名、サービス名、商品名などはわかりやすく、かつ、他社と被らないものにする必要があります。他社と被ってしまうとうまく認知が進まない恐れがあり、わかりづらい名前では拡散の際の弊害になりかねません。

ローマ字、英語、難読漢字を利用する場合には読み方も併記し、好意的なサイテーションを集めるような施策を打ってください。

広告や引用の利用

サイテーションを獲得するためには最初に認知度を向上する必要があります。SEOで集客を待っているようでは認知拡大が遅くなりますので、広告を有効活用する手法が一般的です。

広告とはいってもテレビCMのように大々的に費用をかける必要は必ずしもなく、検索広告、ディスプレイ広告、新聞広告、雑誌広告、アフィリエイト広告、タクシー広告などターゲット層に響くような広告媒体の選定が求められます。

また、自ら情報を発信する以外にも商品やサービスに関連するWEBメディアに取り上げられることでプラスのイメージが伝わりやすくなるため、状況によっては積極的にWEBメディアへの営業をかけたり、アライアンスを組むことも効果的です。

構造化データの利用

商品やサービスの情報を正しく検索エンジンに伝えるためには構造化データの利用も効果的です。特にNAP情報(Name、Address、Phoneの略。会社名、住所、電話番号のこと)をWEBサイト、Googleビジネスプロフィール、各種LP、広告などで統一する必要があり、構造化データを利用することで検索エンジンに認知される一助になります。

構造化データをうまく利用することでMEO効果も考えられ、導入そのものには費用もかからないため、積極的に活用してください。

Googleビジネスプロフィールへの登録

Googleビジネスプロフィール(旧・Googleマイビジネス)はGoogleが提供しているビジネス情報の発信ツールです。

登録することで指名検索時に検索結果に表示することができ、自社の公式サイトとは別に情報発信をすることが可能です。Googleの評価の向上、MEO対策、新しい流入経路の確保などサイテーション確保以外にも効果を生むことがあり、無料でできることから積極的な導入が推奨されます。

サイテーションの獲得状況の調べ方

サイテーションがどの程度獲得できているか、自社にネガティブなサイテーションはないかを確認するためには、サイトやSNSでの発信内容を目視で確認するしかありません。しかし、単に目視確認するだけでは膨大な作業であっても、次のようなツールを利用することで短時間で確認することは可能です。

Googleでの検索演算子の利用

もっとも簡単にサイテーションを確認する方法はGoogleの検索演算子を利用する方法です。

上図のように検索窓で「-site:https://master-progress.co.jp “マスタープログレス”」と入力することでマスタープログレスの公式サイト以外で「マスタープログレス」という言葉が使われているサイトを見つけることができます。

Googleの検索演算子は多数ありますが、今回利用するものは次の3つです。

検索演算子意味
-(ハイフン)後ろに続くものを除外する
site:site:の後ろに続くサイトの一覧を出す
“〇〇”“”(ダブルコーテーション)のなかにある言葉と完全一致するサイトを出す

「site:(自社サイトのURL)」をすることで自社サイトの一覧を出すことができますので、これにマイナス(ハイフン)を付けて「-site:(自社サイトのURL)」とすることで検索結果から自社サイトを除外することができます。

さらに「”キーワード”」のように調査したいキーワードを入れることでキーワードに完全一致するサイトを出すことができます。

「-site:」と「””」の2つを同時に使うことで、Googleが認知しているサイト群のなかから、自社サイトだけを除いて、特定のキーワードの検索結果を出すことが可能になります。

Yahoo!リアルタイム検索で調べる

Twitterに限定ではありますが、Yahoo!リアルタイム検索を利用することで、現在どのようなtweetが発信されているのかを検索することができます。

ログインや登録などは必要なく、無料で手軽に確認できますので、Twitterでどのようなサイテーションがあるのかを確認する場合に有効です。

まとめ

サイテーションとは外部リンクよりも効果が薄いとはいえ、比較的簡単に獲得することができ、SEO効果やMEO効果に影響する重要な集客要素です。しかし、継続してサイテーションを確保し続けることは一般にむずかしく、SNS担当者による継続が何よりも重要です

サイテーションやSNS集客を積極的におこないたいという場合には社内のWEBチームの体制を見直す必要がありますが、社内にノウハウがない場合や対応するリソースがないという場合には外注も視野に入れる必要があります。

どのようなWEB集客が必要なのかは、各社のステージにより異なり、SEO集客やMEO集客なのか、広告なのか、SNSマーケティングを利用すべきなのかは状況次第です。総合的なWEB集客を考えている場合には、株式会社マスタープログレスにご相談ください。

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