コンバージョン測定とは、掲載されている広告からのコンバージョン数を測定することです。正しくコンバージョン測定をすることで広告運用の改善につなげ、生産性を高めることが可能になります。
しかし、広告運用を自社でおこなっている中小企業や格安の広告代理店に依頼している場合にはコンバージョン測定をおこなっていないということも珍しくはありません。広告運用にはPDCAが必須ですが、PDCAを回すためにもコンバージョン測定は必ずおこなうべきものです。
今回はコンバージョンとは何か、コンバージョン測定のメリットと重要性は何か、どのようなものが計測できるのかを解説いたします。もし現在の測定がどうなっているのかわからない、測定について疑問点があるという場合には、一度マスタープログレスまでご相談ください。
コンバージョンとは
コンバージョン(Conversion)とは、広告をクリックしたユーザーが、設定した成果となる行動をとることです。成果となる行動をとった数がコンバージョン数であり、成果は取り扱う商品やサービスによって異なります。
コンバージョンには次のような例が挙げられます。
- 商品の購入
- お問い合わせ
- 会員登録
- 資料請求
- 電話発信
- アプリのダウンロード
- オフラインの行動(電話、来店など)
コンバージョン測定をすることで、どの配信広告がより成果を上げているのかを判断することができ、より効率的に売上を伸ばすことにつながります。
コンバージョン率とは
コンバージョン率(Conversion Rate、CVRまたはCV率)とは広告をクリックしたユーザーのうちコンバージョンに到達した割合のことです。
例えば、広告をクリックした人が100人いて、そのなかで実際に商品を購入した人が3人いた場合にはコンバージョン数は3、コンバージョン率は3.0%となります。
業界や商品、どのような媒体に広告を出すのか、検索広告(リスティング広告)かディスプレイ広告かなどでコンバージョン率は大きく異なります。
最終的にはコンバージョン数(売上数)が目標数値になりますが、コンバージョン数を上げるためにはクリック数(クリック率)やコンバージョン率を高める必要があるため、目標達成のために非常に重要になる指標がコンバージョン率だといえます。
業種別コンバージョン率(Google広告)
Yahoo!広告の数値は公開されておりませんが、Google広告の業種別平均コンバージョン率はWordStreamによると次のような数値になっています。
業界 | 平均CVR(検索) | 平均CVR(ディスプレイ) |
アドボカシー | 1.96% | 1.00% |
自動車 | 6.03% | 1.19% |
BtoB | 3.04% | 0.80% |
消費者サービス | 6.64% | 0.98% |
出会い系 | 9.64% | 3.34% |
ECサイト | 2.81% | 0.59% |
教育 | 3.39% | 0.50% |
雇用サービス | 5.13% | 1.57% |
金融・保険 | 5.10% | 1.19% |
健康・医療 | 3.36% | 0.82% |
ホームグッズ | 2.70% | 0.43% |
産業サービス | 3.37% | 0.94% |
法律 | 6.98% | 1.84% |
不動産 | 2.47% | 0.80% |
テクノロジー | 2.92% | 0.86% |
旅行とホスピタリティ | 3.55% | 0.51% |
上表によるとすべての業界におけるGoogle広告の平均コンバージョン率は、検索で3.75%、ディスプレイで0.77%とあります。地域や時代、時期、業界、商品、媒体などにより数値は変わりますので参考値としてお使いください。
コンバージョン測定のメリット
コンバージョン測定をするメリットは、広告が商品やサービスの売上にどの程度貢献しているのかを確認できることです。
広告配信をおこなう場合、PDCAを回しながら最適なクリエイティブ(広告文やキャッチ画像などのこと)を見つけることが重要です。そして、クリエイティブの差し替えをおこないながら勝ちパターンを作っていく必要があります。
しかし、多くの企業、特に中小企業では、一度作ったクリエイティブの見直しをおこなっていなかったり、最終的な問い合わせ数のみに注目していて改善が疎かになっているケースが散見されます。
広告配信を広告代理店に依頼している場合であってもコンバージョン測定をおこなっていないこともあり、機会損失をしている可能性があります。重要な経営リソースの無駄遣いにならないよう、効率的な配信により生産性を高めることが求められます。
コンバージョン測定の重要性
コンバージョン測定の重要性は次の3点に集約されます。
- 目標達成にどれくらい寄与したかがわかる
- 広告運用の改善につながる
- 広告予算の判断材料にできる
コンバージョン測定は重要ではありますが、測定だけをおこなっても意味がありません。測定した結果、出てきた示唆を運用に反映する必要があります。限られた予算を効率よく使うためにも効果的な手法といえます。
目標達成にどれくらい寄与したかがわかる
コンバージョンにつながったアクションを具体的な数値にすることで、広告の貢献度が見えるようになります。コンバージョンしていなくても、マイクロコンバージョン(コンバージョンに至るまでの中間地点)に達しているかどうかという指標も含め、総合的に判断することで費用対効果の高い広告運用を実現することができます。
広告運用の改善につながる
広告は常に数パターンを同時に配信することが一般的です。そのなかで、コンバージョンの良し悪しを随時判断し、PDCAサイクルを回して改善する必要があります。数値の良かった要因、悪かった要因の分析をすることで広告運用の改善が可能になります。
広告予算の判断材料にできる
パフォーマンスの高い広告が見つかれば、さらに広告予算を投下することで、より大きな集客につなげることが可能です。反対に、パフォーマンスが悪い広告であれば、出稿停止や予算削減などを検討する必要があります。
最初は複数の広告を横並びで配信していても、結果次第で追加予算や予算削減を繰り返し、新規広告も追加していくことで広告運用の全体最適化が可能になります。
測定可能なコンバージョンの種類
広告で測定可能なコンバージョンは次の4つです。
- ウェブページコンバージョン
- 電話発信コンバージョン
- アプリコンバージョン
- オフラインコンバージョン
ウェブページコンバージョン
ウェブページコンバージョンとは、広告を経由してサイトに訪問したユーザーのコンバージョンのことです。ユーザーのCookie情報を参照し、一定期間内に広告のクリック履歴があればコンバージョンとしてカウントします。
いわゆる、一般的なコンバージョンのことで、例としては次のようなものが挙げられます。
- ECサイトでの購入
- ウェブフォームからの問い合わせ
- 資料請求
- オンライン予約
電話発信コンバージョン
電話発信コンバージョンとは、広告経由でサイトに訪問したモバイルユーザーが電話発信用のリンク(ボタン)をタップする行動のことです。
ただし、電話発信コンバージョンは電話番号のタップ数であり、実際に電話をかけた回数ではありません。電話の発信回数をカウントすることは一般にむずかしく、広告では電話番号のタップ数で代替していますのでご注意ください。
アプリコンバージョン
アプリコンバージョンとは、Google Playストアからアプリのダウンロードやアプリが初回起動されるなどの行動のことです。
※以前はiOSであっても同様な計測が可能でしたが、現在はIDFA(Identifier For Advertising、Appleがデバイスに割り振るIDのこと)の関係でコンバージョン測定ができなくなっています。
オフラインコンバージョン
オフラインコンバージョンとは、オフラインでの電話や来店などの目標達成のことです。
オフラインでの行動をcsvファイルに保管し、アップロードする手動インポートが一般的ですが、Google広告の場合にはスプレッドシートとの連携をすることで自動的に定期的にインポートすることも可能です。また、システムによってはAPI連携することでパートナーツールからインポートすることもできます。
まとめ
コンバージョン測定の重要性で述べましたが、以下の3つに集約されています。
- 目標達成にどれくらい寄与したかがわかる
- 広告運用の改善につながる
- 広告予算の判断材料にできる
現在、正しいコンバージョン測定が出来ている場合には問題ありませんが、測定そのものをおこなっていない場合には大きな機会損失をしている可能性が高く、今後、伸びしろを秘めているともいえます。
現在の広告運用がどうなっているのかわからない、正しい広告運用がしたい、コンバージョン測定について相談してみたいという場合には株式会社マスタープログレスまでお気軽にご相談ください。